八つ当たりする人達。

人ん家で3時間くらい寝さしてもらい、相方に駅まで送ってもらって
電車乗ってそのまま学校へ向かった。
学校では、相変わらずずっと寝てるだけ。
楽しみなんてもぅナイし、重要なのは早くここから卒業しなきゃいけないって事。

いったん家に帰って用意して、ずっと可愛がってもらってる社長と同伴。
2年以上の付き合いだから、社長の馴染みの店には何度も連れてってもらってる。
好き嫌いナイあたしだけど、懐石料理は、やっぱり嫌い。
鱧（ハモ）はどこで食べても気持ちが悪い。
「夏しか食べれない」とか「高級」だとかって勧められても、毎年、夏には
同伴で必ず大量に食べさせられるから、もぅ勘弁してくださいな。

社長は仕事でトラブルがあったらしく、やけにヤサぐれて、あたしに当たってきた。
いつもにも増して、あたしにお酒をいっぱい飲ませようとする。
ちと辛いけど、売上げになるならヤケ酒も歓迎。
38歳のお金持ち社長にだって、悩みはある。どうぞ23歳の小娘に当たってよ。
いっぱい飲んだのに、ボトルは空かなかった。純売1万3500円。

12時過ぎですでにフラフラの酔っ払い。
支配人に、思いっきりケンカ口調で「使いものにならないから。」って帰らされた。
ウチの店の支配人は頭が固くて、機嫌が悪くなるとスグに周りに当たる。
超嫌われ者で、女の子がお店を辞める理由の上位は、支配人と折が合わない事。
あたしはコイツが大嫌いだけど、あえて笑顔でなついてるフリしてる。
なのにあたしはやっぱ、当たられる。

こんなに頑張って毎日同伴して、客呼んでるのに、まだ認められない。
お店が暇だったりうまく回らないと、支配人にヤツ当たりされる。
客は、あたしに注ぎ込んだ金額の分、ストレスをぶちまける。
会社でのお父さんは見たコトなかったけど、家ではママを殴ってた。
ママはママで、よくあたしに当たってきてた。

「悩みなんてなさそう。」
「お前は何言われても、気にせーへんやろ。」
「オレがいーひんくても、お前は一人でやってけるわ。」って。

あたしは他の人に比べたら、図太くて根性あるのかもしんないけど。
ホントにひとりでやってけるのかもしんないけど。
ひとりで生きてけるくらいに強くなりたいって思ってるけど。

強くなりたいけど、弱いあたしもいるって誰かわかって。
独りはやっぱ寂しいし、誰かに甘えたいんだってば。